様々なメリットが存在する約束手形ではありますが、デメリットについても知っておきましょう。
特に注意しなければならないのが受取人側のデメリットに関することです。
受取人側の大きなデメリット:不渡りについて
約束手形を受け取る側にとって一番怖いのが手形の不渡りが起きてしまうということです。
これは、手形で約束してある期日までに約束手形の振出人がお金を用意できなかった場合に起きてしまうトラブルのことなのですが、受取人側にとっては非常に大きなデメリットだといえるでしょう。
手形が不渡りとなってしまった場合、代金を解消することはほぼ不可能になってしまうと思わなければなりません。
不渡りになってしまったとしても振出人に直接交渉することは可能ですが、不渡りになる=振出人側にお金がないということでもあるため、代金の回収はかなり厳しいでしょう。
振出人側のデメリットとは?
振出人にとっては、支払いの期日を延期できるというメリットを持った約束手形ではありますが、デメリットもあります。
期日までにお金を用意できなかった場合、様々なデメリットが発生してしまうのです。
どうしても必要な金額を用意できなかった場合、受取人に期日の延長お願いすることができるのですが、すべての受取人が応じてくれるというわけではありません。
また、支払日の延長に応じてもらえたとしても、利息をつけて欲しいと言われてしまうこともあるので注意しておきましょう。
このように期日を延長してもらうことを手形のジャンプというのですが、一度でも手形のジャンプをしてしまうとは、受取人からの信用は大きく落ちてしまいますよね。
その後の取引が不利になってしまうことも考えられるので十分に注意が必要です。
また、万が一手形の不渡りという事態になってしまった場合、6ヶ月以内に2回不渡りを出すとその後2年間は銀行取引をすることができなくなってしまいます。
銀行からの信用も落ち、新規の貸し付けが受けられなくなるなどのデメリットも大きいため、手形の不渡りが倒産に繋がってしまうこともあるのです。
参考文献:大阪の弁護士による会社倒産/破産手続き・民事再生【梅田パートナーズ法律事務所】