白地手形(しらじてがた)とはまだ未完成状態となる手形のことをいいます。
状態としては、手形要件の全部または一部が記載されていないもののことを言うのですが、手形法上においては、こういった手形要件が記載されていなければ無効になってしまうとされているのです。
もちろん、欠けた部分が補充されれば完全な手形となるのですが、このままでは利用できません。
白地手形の意味とは?
ではなぜ白地手形というものが存在しているのでしょうか。
そのままでは完成していない白地手形ではありますが、かけている部分を補えば完成するということもあり、主に手形を所持している人が未記入となっている部分を記入するという前提で使われます。
ただし、金融機関側に提出をすれば勝手に書いてくれるようなものではないので注意しましょう。
例えば、支払期日を記入しない白地手形があったとします。
そういった白地手形は一年後などかなり遠い支払い期日を設定したい手形に対して使われるようです。
一年後というのはかなり先のことなので、どうしても信用性が乏しくなってしまいますよね。
そういった場合に振出日白地にしておくケースがあるのです。
ただ、持ち主が記入をするということになると、好き勝手に記入していいのかどうかというところが気になりますよね。
結論からいってしまえばそれは可能なのですが、全てが認められるというわけではありません。
白地手形の金額欄に関する注意
金額欄が白地となっている手形を振出してしまった場合、そこに悪意を持って約束とは異なる金額を書かれてしまったらその金額を支払わなければならないのでしょうか。
しかし、そうではありません。
例えば、100万円と書き込まなければならないということを知っていた手形に対して200万円と書き込んだとしても悪意のある行為をしたと判断され、認められないのです。
それに、金額を書き込む前に内容について確認する義務もあります。
ただ、こういったことは当事者間に適用される法律であり、手形法では仮に全く関係のない方から不当な金額を請求されてしまったとしてもそれを支払わなければならないと定められているため、白地手形は非常に危険なものであると理解しておきましょう。